アウトソーシング業界は衰退してしまうのか?

 

以前から「RPAの発展がBPO(※)に与える影響」に関しては議論が交わされており、「RPAはアウトソーシング業界そのものの価値を低下させるのではないか」と考えられてきました。

※ビジネス・プロセス・アウトソーシング:自社の業務プロセスの一部を継続的に外部の専門的な企業に委託すること

アウトソーシング可能な業務のほぼ全てがRPAによって自動化できることを考えれば、そうした議論が活発になったのは当然のことと言えるでしょう。ただ、RPAの市場はまだ依然として初期段階ではあり、現在はまだまだ「見極め」の最中だと言えます。それでも近年は急速に世界中で注目と感心を集めつつあります。結果、イギリスやアメリカを中心に、世界中の多くの企業がその導入の検証と試用を始めました。つまり、重要なビジネスプロセスをシステムに委ねる前に、RPAによる自動化と業務の効率化が本当に成功するか検証し評価している時期と言えます。

今はあくまで試験と検証の段階であり、現時点でBPOから完全にRPAに移行した企業は数えるほどしかないでしょう。しかし、デロイト社による研究「ロボットの到来」によると、RPA技術の導入と展開は従来の海外アウトソーシングよりも遥かにコストカット効果が大きいと述べられています。海外アウトソーシング先の職員は先進国拠点の職員よりも平均35%程度割安ではありますが、RPAのロボットはさらにそれ以下の価格で済むのです。

つまり、将来的にはBPO業界それ自体がRPAによって取って代わられるかもしれないのです。現に先に挙げた研究の中で、2017年までにグローバル企業のリーダー陣の実に55%がRPA導入のための投資を検討し始めると予測されています。

それでは当事者であり大ダメージを受けるかもしれないBPO業界は、この兆候に対してどのように向きあえば良いのでしょうか?ただ傍観するだけなのか、もしくは既に何らかの対抗策を講じているのか。次回の記事では、BPO業界が具体的にどういった変化を求められるようになるか、RPAとの共存は可能かなどについてご紹介していきます。